文化を学び、助け合いながら共に成長するシェアハウスでの共同生活※はるき:観測者 ひじり:ゲストはるきシェハウスは聖さんにとって、人から文化を学んだり、取り入れたりするような場所でもあるわけですけど。聖さんのシェアハウスにかける想いの丈を聞かせてもらえますか?ひじりうんうん、そうやね。始まりはシェアハウスがやっぱ大好きで、もうこれまでの経験にはほんとに感謝してるんよね。シェアハウスをしてなかったら今の生き方ができてなかったわけだから。はるきうんうん。ひじりだからその想いをみんなにも伝えたいっていうのはあるし、あとSEKIYA.soは地方で起業しようとする人に向けてつくったシェアハウスで。起業って、自分の持ってるものを全て総動員させる活動やと思うんよね。時間も、お金も、人生というものの全てをかけて行う活動やからこそ、やっぱその間の一人暮らしってめちゃくちゃコスパが悪いと思うんよ。毎回自分でご飯を作るとかは特に。はるき確かに。ひじりそんな生活が辛くなって、コンビニ飯とかになっていって体壊したり、そもそも一食あたりが高くなるから、それも結構負担やったりするやろうし。だからそういうところから見ても、シェアハウスってすごい良いと思う。はるき確かに、ご飯を作り合うことでお互いの負担も減らせますもんね。ひじり実体験として、俺がSEKIYA.soをつくる前、別の事業を考えてた時にもうずっと家にこもって事業計画書を書いてたことがあったんよね。けど、これから活動をしていきたい人がずっと家の中にこもっていて良い訳がないし、それはあるべき姿じゃないって思った。それで、人が入ってくる空間と誰かと一緒に共同生活をする場所としてのシェアハウスを作るに至ったというわけで。はるき確かに、起業家にとって外部との積極的な関わりって大事ですよね。はじめの頃はとくに。ひじりうん。それに加えて、生活習慣から自分を変えられるっていうのもあるかな。最近、習慣についての本を読んでることもあって、習慣が人生に与える影響ってすごい大きいと思うから。それがまぁ、今のシェアハウスとしての理想かな。はるき習慣っていう言葉が、まさに文化の話と結びついてて良いですね。みんなで異文化を学び合うという感じがしてくる。ひじりそうやね。そういうところもあるし、結局俺自身が体育会系の人間やから、ずっと監督から教えられてきた人間性に関する言葉とかも大事にしてるんやと思うんよね。だからそういった人間性の部分を取り戻せたらって思うかな。はるき人間性の部分を取り戻せたらって、まるで忘れてしまったかのような言い回しですね。ひじりなんか、大学生の時期って人間性を忘れるくない?はるきというと?ひじり大学生ってこう、グレーゾーンやと思うんよ。どういう意味かっていうと、高校生までは担任とか親が怒ってくれる。社会人になったら上司が叱ってくれる。そういう環境がある。けど、大学生ってあんまり叱ってくれる人がいない。教授との距離も遠いし、ゼミの先生ともそんな仲良くなるかって言われると、全員がそうじゃないと思うから。はるきうんうん。ひじり叱ってくれないっていうのは、結構悲しいことやと思うんよね。本当に間違ってる時に間違ってるって言ってくれないし。はるき確かに。。ひじり大学生ってそういう時期だからこそ、すごいブレるし、間違ったことをして人様に迷惑をかけることもいっぱいしてしまうグレーゾーンやと思うんよ。だからこそ、もし目的とか夢とかがある場合は、まずは中間的なところから一緒に整えることをした方がいいんじゃないかな。はるき大学生の捉え方、面白いです。ひじりまぁ自分がそうやったからな。はるき実際、何かを教えたり叱ったりしてくれる存在って大事だなってしみじみと感じます。ひじりだからその修正というか、習慣を整えていくことをやる人が誰もいないからこそ、シェアハウス生活の中で、人とか習慣とかをシェアすることがいいんじゃないかなって思う。子供に夢を語れるカッコいい親父になりたいはるきそもそも聖さんはどうして起業家シェアハウスSEKIYA.soを作ろうと思ったんですか?どうして「起業」というコンセプトを選んだのか、というか。ひじりそうやな。やっぱ起業のときが、一番みんなが闘志を燃やしているように思うし、熱さを感じるからかな。はるき熱さ、ですか。ひじりただその全力で何かに没頭する熱さっていうのは、実は自分の失恋にも起因してる部分があって、ほんまはあんま言いたくないんやけど。笑はるきそれめっちゃ気になりますね。笑ひじり当時、好きやった相手に若干依存してて、相手の正解に合わせる生き方をしてたんよね。多分、みんなそうやと思うんよ。トレンドの服を見ておしゃれをしたり、いろんなことを勉強して相手の理想とする彼氏像に合わせようとする。はるき確かに。相手の理想になろうとして一生懸命になりますよね。ひじり結局、俺はそれがだめだった。今のままじゃ、彼女に趣味が変わったら自分もそれに合わせて変わらないといけないな、みたいな。だから彼女との別れはめちゃくちゃ精神的にきつかったんやけど、これまで追い求めてきたものには答えがないってことに気づけたと。はるきなるほど。ひじりそれで俺は、かっこいい男になりたい。モテる男というより、かっこいい男になりたいなと思った。で、そう考えた時に、アーティストがかっこいいなと思ったし、起業家もかっこいいな、プロ野球選手もかっこいいなと思った。はるきうんうん。ひじりそれで、そこに共通してたのが「夢を追いかけてる人」であり「目的を果たすために熱中してる人」やった。そういう人をすごいかっこいいなって思ったんよね。はるきそれが聖さんにとっての「かっこいい人像」だったんですね。ひじりうん。それで、そういう人たちともっと近くにいたいし、そういう人たちがもっと夢に近づけるような、日常生活に溶け込んだ場所を作りたいって思いに繋がっていった。だから、俺の中の自己実現の原点は、かっこいい男になりたいってことなんやろうね。はるきかっこいい男になりたい。ひじりうん、そこからすべて始まった。はるきせっかくなので、聖さんにとっての「かっこいい人像」をもっと聞かせてください。ひじりそうやな。逆に「かっこよくない」を考えた方がわかりやすくて、例えば、子供の前で仕事の愚痴を言わないとかかな。あとは家事のなすりつけ合いをしないとかね。身だしなみに気をつけてたり、もちろんファッション的なところもすごいステキやと思うけど、俺はもっとこう中身を磨けたらいいなと思ってて。そうやな、こう、気づいた時に出せる優しさとか。はるきまず、すぐに子供とか家族の話が出てくるほど、聖さんにとって家族の存在が大きいってことが意外です笑ひじりだってもう〜、家族、ほしいもんね。はるきその思いがもうひしひしと伝わってきてますよ笑ひじりやばいやばい、ちょっと抑えとこ笑あ〜でも、そう考えるとシェアハウスってすごい家族に近いものなんやろね。俺が海外から大分帰ってきた時に、知り合いが誰もおらんかったんよ。授業も毎回行くけど、前の列で1人で受けてて、だからまぁ寂しさもあったよね。大学には県外から来てるし、大学生の友達もあんまおらんし、繋がりもないし。もちろん、すぐに会える地元の友だちもおらん。はるき当時は孤独感を抱えてたんですね。ひじりだから、20年後とか、俺たちが40代になった時に「あれ面白かったよね」って一緒に酒飲める友達が欲しかったんかもしれんね。うん、長いライフスパンで付き合えるような友人が欲しかった。はるき聖さんにとって、シェアハウスはまさに第2の家族的な存在なんですね。ひじりあ〜いいね、第2の家族って表現。はるきちなみに、第1の家族の方はどうなんですか?笑 今、気になってる人がいるとかいないとか。ひじりああ、そっち。笑 理想の形は0日婚やな。結構もう仲いい関係の中で、「じゃあ結婚するか」みたいな感じでいきたいよね。はるき0日婚。笑ひじりとはいえ、まぁまだ結婚はないかな。多分30歳ぐらいまで幸せにできないもん、まだ。はるきかっこいい男になってから、ってことですか?ひじりそうやね。やっぱ1番は仕事に対する姿勢じゃないかな。子供の前で仕事の愚痴言ってたら、仕事に希望をもたせられんくない?これから大人になろうとする子供たちに対して。はるき聖さんにとって仕事って?ひじり仕事って、闘志を燃やすものだし、楽しいものじゃないといけない。じゃないと、仕事自体がどんどん減っていってしまう。はるきつまり仕事は、自ら進んでやりたいもの?ひじりそう。仕事はしたいものだよ。昔は多分違うよね。こう、なんていうか報酬を得るものっていう意味合いが強いというか。でも今は多分その意味を変えないといけなくて、どんどん再定義していかないといけない時代になってると思う。はるき仕事の再定義。ひじり日本っていう国は、外国から人を集めたら維持できるかもしれんけど、日本人自体が減ってるし、今はより仕事に意味を求める時代やん。それにそもそも、子供たちから「なんでそんな嫌やのに仕事行ってるん?」って言われるのって、そんなの悲しくない?子供に夢を語れない親父って悲しいじゃん。はるき子供に夢を語れる親父になりたい、と。ひじりうん。逆に子供に夢を託す親父には、なっちゃいけないと思う。必要以上に手を焼きすぎずに、もっと放任主義でいい。はるきなるほど。子どもたちが仕事をしたくなるような、かっこいい親父としての背中を見せ続けていく。その活動のひとつとして、今のシェアハウスがあるわけですね。そしていつか突然、結婚する日がくるかもしれないと。ひじりちょっとここカットしとこ笑はるきすごく素敵な話だと思いますよ笑日本をより良くするために、地方の若者が活躍できる場所をつくるはるきSEKIYA.soのような同世代に向けたシェアハウスを新しく作っていくことなどなど、今後の展望はありますか?ひじり今後の展望ね。なんか前提として、地方ではどこも同じ課題が絶対あると思うんよね。課題っていうのは、地方には熱量のある人、夢がある人がいるんだけど、一緒にやる仲間がいないみたいなものから、他にも色々あるんやけど。そんな不足したものを補えるような場所を地方にどんどん作っていきたいかな。はるきあそこに行ったらなんか面白い人たちと出会える、みたいな場所とか?ひじりそうそう。ここに来たらなんか面白いことが起こるっていう、駆け込み寺みたいなものを作っていきたい。そうすることによって都市部の学生だけじゃなくて、地方学生の体験価値とかポテンシャルを上げていけるし、日本をより良くしていく。はるき日本をより良くする、ですか。ひじりうん。地方の学生の価値を上げることが日本を良くすると思ってる。はるきなるほど。ちなみに、東南アジアにもその活動の幅を広げていきたいとも以前言ってましたよね?ひじりそう。まぁ海外に行きたいのは俺が単に行きたいってのと、寒いのが苦手だから冬場逃げたいって思いもある。笑はるき避暑地みたいな、ね笑ひじり他には、10月に法人化しようと思ってる。理由としては、SEKIYA.soの2階をコワーキングスペースとして公式オープンするため。で、コワーキングをスペースをオープンしたい理由としては、もっと日常的に学生とか大人の人がいっぱい居る状態にしたいってことと、人がたくさんいる空間の中で、お互いが作業してたらいつの間にか仕事が生まれてる、みたいなものを作りたいって思いがあるから。はるき作業してる人たちの中で、自然と仕事が生まれる環境って魅力的ですね。ひじりそう。同じ学生同士でも、動画編集やってる人に協力をお願いする、みたいな関わりが生まれたらいいよね。俺自身、今後プロフェッショナルとしてどんどん仕事をもらってくるから、ギルドを作りたい。コワーキングスペースの一角に、仕事のクエストがあるみたいな。はるきめちゃめちゃ夢に溢れてますね。ひじりそう、ギルドを作る。そういうのをやりたいよね。それこそAPUには、高校生の時からクリエイターやってました!みたいな人もたくさんいるし、本当に夢と希望に溢れた学生たちが多いから、彼らが探求の一歩を踏み出すのもそうだし、経験を積んでいくっていう上でも意味のあるものを作れたらなと。はるき学生たちが、ここでは実社会の冒険者になれるわけですね。ひじりうん。まぁ探求するっていうのは、自分で好きなものを作ることだと思うけど、仕事っていう、誰かからのお願いに対して期待に答えるってこともやっていってほしい。それができる場所を、作っていきます。はるき最高にかっこいいです。ひじりあざす。笑ー完ー編集者コメントつい数日前。夢ある若者の人生を定点観測するドキュメンタリーメディア『シン・クロニクル』のリリースが公式発表されました。記念すべき一発目の記事を誰に飾ってもらおうかという話の中で、やはりこのメディアが生まれた場所に纏わる人が良いということになり、起業家シェアハウスSEKIYA.soの代表の寺本さんにお願いする運びとなりました。取材の中では、いつも明るく陽気な姿を見せる彼の意外な一面がとても印象的でした。しかし、そんな普段は見せない姿にこそ、彼がどんな相手をも受け入れ、寄り添える懐の広さの所以があったように思います。夢ある若者たちを輩出し続ける起業家シェアハウスSEKIYA.so。そしてその熱の源泉である彼の歩みに、目が離せません。シン・クロニクルでは、今はまだ名もなき小さな若者たちの歩みを、ドキュメンタリーという形で紹介していきます。日常の関わりの延長線上にある「ありのままの姿」をお楽しみください。編集者 大窪春己