できないことは支え合って、できることは魅せるはるきそういえば、どうして障害に関するイベントをやろうと思ったの?何かきっかけがあって、障害っていう分野に興味をもった?みゆきあ〜、なんて言うんだろ。前提として、障害を持ってることでできることとできないことがあるよね。それで今って、できないことを頑張って、平均まで技術で上げて普通になるっていう感覚があるのかなって思ってて。でも私は、そうじゃなくて、障害って特性だから、できないことはそこそこにしといて、できることを伸ばせばいいんじゃないかなって思ってて。はるきうんうん。みゆき普通の人が見えてる世界じゃないからこそ描けるアートがあると思うし、それこそ私は義手が好きなんだけど、その人に手足がないからこそできるファッションだよね。それって健常者ができないファンションだからこそ、特別でかっこいいなって私は思う。私達はみんな違ってて、できることもできないこともあるけども、できないことは支え合うことが大事だし、できることは伸ばすことが大事。だからまずは、こんなことができるよっていうのを見せていくことが大事やないかなって。はるき自分が〇〇ができるよって伝えることは、障害を持ってる人に限らず、全ての人にとって大事なことな気がするな。みゆきその伸ばし方も、これまでは健常者が一段降りて障害者の方に寄り添ってあげることでしか伸びない、みたいなニュアンスが含まれてたのかなって思ってて。そうじゃなくて、障害者の人もパワーはあるし、マイナーだからこそのエネルギーがあると思う。だからそのエネルギーで障害者の方から健常者の方に向けてこれだけできるんだよってアピールしてもいいんじゃないかなって私は思う。はるきその「得意なことを伸ばす」っていう考えは、障害者を持ってる方との関わりの中から感じたものなの?みゆきこれについては、明らかに「あ、ここやな」っていう人生のターニングポイントがあって。それが、高校を卒業してすぐに韓国に行ったこと。はるき受験の後だよね?みゆきうん。得意なことを伸ばしていく人生にみゆき私さ、前提として、日本の大学受験は全部落ちたんよね。自分は机上の勉強が苦手で。はるきそうだったんだ。みゆきうん。頑張ってみたけどできなくて、大学受験の時はもう大失敗して。その時、もし私が苦手を伸ばそう派やったら、多分浪人してたと思う。はるきうんうん。みゆきでも、もうできへんわ。勉強無理、試験無理って実感したから、そこで諦めて、自分ができることをやろうって韓国に行ったん。多分その時浪人してたら、今もずっと学歴コンプレックス抱えて、なんかずっとこれじゃないって違和感を感じながら生きてたんかなって思う。はるき大学受験がターニングポイントだったんだね。みゆきそう。その時から、できないことはもう諦めて、他の人にサポートしてもらったりとか、何か自分以外にアウトソーシングして補ったりして、できることを最大化しようって方向に自分の人生が切り替わった。はるき個人的にまだ日本が学歴を重視する社会だと感じてるからこそ、皆が歩む一般道から外れて、独立して自分の道を行く覚悟ってかなりのものだと思うな。みゆきいや、もう、覚悟もくそもなかったんだって。できないもん。だから、できることを評価されなかったとしても、できることをやっていく覚悟より、できないことに向き合い続ける覚悟の方が辛かった。はるきそっかそっか。みゆきあと、リスクの考えもあったかな。それに、できることをやる方は「+面白い」が乗っかってるからね。受験以前までは、試験はすごい苦手やけど、小手先だったり小賢しさはあったりするから、結構なんでもうまくやっていくタイプやった。苦手なこともごまかしごまかし頑張る人やったけど、受験の後からはもうそこで振り切ったって感じかな。はるき「できることをやっていく」選択をしてから、みゆきさんの人生はどう変わった?みゆき明らかに加速度が増した。はるき加速度?みゆきうん。努力の加速度も、結果までの加速度も、いろんな加速度が明らかに増した。それでいうと、イベントを作る時が自分が一番の加速度が高いかなって思う。はるきそれはどうして?元々持ってる素質とマッチしたから?それとも好きなことだから努力できるようになったとか?みゆき素質やね。だって、努力は全部にしてるから。受験も勉強もイベントに割く努力も、同じくらい全力でやって、片方は大失敗して、もう片方は上手くいってるわけやから、努力は全部一緒全力でやってみて、あとは自分に向いているかと、環境と運で結果につながるってところが違いやと思う。これから挑戦する人へメッセージはるき今回の記事を読んでくれている方(これから何か挑戦しようとしている人)に向けて、みゆきさんなりに何かメッセージをお願いします。みゆき好きにやること、かな。私自身に対して思うことはたくさんあるんやけど、他の人に対しては、ほんと思うことはなくて。やらないのも人生やし、やるのも人生だから、好きなようにしたらいいと思う。別に挑戦するのが正義だとも思ってないし。はるきうんうん。みゆき挑戦しやすくするためのパワーワードとかはあるんやけど、それで挑戦するのがいいとは思わへんやん。挑戦しないときって、そこにはブレーキがかかってて、多分そのブレーキに意味があると思うんよね。だからそのブレーキの意味を無視してやる方が危ないから、超ブレーキがかかってるんやったら、挑戦しない方がいいし、逆にブレーキがかかってないんやったら、挑戦した方がいい。それに誰かの言葉で挑戦するかしないかが変わるくらいの挑戦やったら、やめといたほうがいいと思う。はるき自分の思いで決めることが大事ってことだね。みゆきうん。私の場合は、なにか始める時はいつも「隠れた面白さがまだ世に出てないときに、それを世に出すこと」にモチベーションが上がるんよね。日台交流会も、日本人と台湾人の交流って面白いのに、行動力がない子はちょっと尻込みしちゃってできない、みたいなこと。それって、その環境や場面さえ整えてあげれば、行動力がなくてもその面白さが知れるから、その足りない分は私が整えてあげようって思う。はるきなるほど。みゆき障害者のイベントもそう。障害者の方ってすごい面白いし、魅力的なところがたくさんあるんだけど、それをわかってるのは好奇心がある人に限られてる。それも環境や場面を整えるだけで、誰でも知ることができる。はるき確かにね。みゆきだから、私はそういうボトルネックを解消してあげたいなって思う。私自身がもともと先天的に行動できる人じゃなくて、後天的に、自分で自分の環境を整えて行動力を高くしたり、好奇心を高くしたりして挑戦してるからこそ、先天的にできない人の気持がわかる。だから、その道筋を作って上げることができるんやと思う。編集者コメント数年ぶりの再会となった今回は、ひと夏の思い出にとみゆきさんが僕に「春己くんのとこに行っても良い?」とメッセージをくれたことから始まりました。実は前回も、2年前に似たような形でわざわざ富山にまで会いに来てくれて、約2週間ほど一緒に時を過ごした経緯があります。「私はすごい理論的に考える癖があるからこそ、感覚で生きてる春己くんや、春己君の周りにいる人達と話すのが楽しい」と明るく笑って話してくれる彼女の姿は、いつも太陽のように燦々と輝いています。様々な物事にとにかくチャレンジして、自分の得意を見つけて伸ばしていく。器用ではないかもしれない。それでも、いつも前向きに果敢に挑戦を続ける彼女の姿は、どんなときも僕たちに勇気を与えてくれるジャンヌ・ダルクのような存在です。また次回、1年後に話す日が今から楽しみで仕方ありません。編集者:はるき